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thehadesの日記

2013-03-26

ガンダムHADES 第1話

23:37

D・W戦役終了の翌年、年号はD・Cと改められた。

それから15年たったD・C15年の事・・・・・・・

地球政府は解体されデスティックによる新政府樹立された。デスティックは「新政府の元で世界は管理、統制され恒久的な平和を得るであろう」との見解を示したが実際の所、武力による強制的な弾圧によるただの植民地化であり、それは平和などとは程遠いものであった。

世界から各国の名前・・・もとい国としての存在は消え去りデスティックのエリア名として呼ばれるようになった。

そんなエリアの中の一つエリアLAK-28。そこから全てが始まったのである。



―――――どこまでも透き通る青い空。雲ひとつない。こういう天気を快晴というのだろう。その下には小さな町が・・・デスティックのエリアの一つが存在した。

『エリアLAK-28』

辺境に位置するエリアの為か植民地の中でも比較的自由が許されたエリアである。とは言え、昼夜問わずデスティックの兵士が徘徊しているわけで、少しでも怪しいそぶりを見せれば拘留施設へ監禁される。そこでは非人道的な拷問が繰り返されると聞くがハッキリしたことは分からない。何しろその拘留施設から帰って来た者はいないのだから。

つい最近にも一人の若い男性が果敢にもデスティックの兵士に殴りかかったが、有無を言わさずその場で射殺された。

人々が日々の生活を送っている。心の底で激しい憎悪と恐怖を抱きながら。デスティック以外の世界中の人々全てが今の世界を敬遠していた。

そんな中、エリアの片隅の――――それこそスラムとでも言えそうな――――そんな場所に小さな機械修理点が存在していた。

『機械修理致します』

ぼろぼろの紙に書かれたこの言葉を見ない限りは誰もここが機械修理店とは思わないだろう。なにしろ、看板すらないのだから。

しかし、店主の腕は大した物だった。どんな機械の故障でも、いとも簡単に直してしまう。いつぞやにその店主がどこまで出来るのか試そうとわざとメチャクチャに壊した機械を持ってきた客がいたが、次の日には完璧に直してしまった。それどころか、より性能を上げて返す始末だ。あれだけの腕だデスティックの整備班でもやっていたんじゃないかと噂されるほどであった。

そして今日も小さな携帯端末を直すべく机に向かい、火花を散らしていた。一段落したところで店主は火花から顔を守るためにつけていた鉄の仮面を外すと、顔の周りにまとわりついているような蒸れた空気を鼻息で押しやった。この瞬間が一番気持ちいい。店主は軽く微笑むと、振り返り自分の息子の名を呼んだ。

「・・・・・ライル!」

後ろのほうでスパナをせっせと動かしていた栗路の髪の毛の少年が振り返る。

この少年の名前はライル・クライスト。店主の一人息子である。前向きな性格だが父親が機械修理をやっていたので案の上、機械いじりが好きな少年に育った。

この少年の父親である店主の名前はトレイス・クライスト。男手一つで一人息子であるライルを育ててきた。真面目な性格で先程述べたように抜群の機械修理のスキルを持っている。そんなトレイスはライルにとって尊敬するべき人でもあり、超えるべき目標でもあった。

「呼んだ?父さん」

「ああ・・・今日の仕事はここまでにしよう」

「え?もう?」

ライルは驚いた。いつもなら一日中仕事をするものだが、今日はまだ2時間しかたっていない

トレイスは作業用の手袋を外しながら言った。

「最近、働き詰めだったからな・・・・たまの休日もいいだろう」

トレイスは自分の油まみれの作業着を見て少し顔をしかめた。

「・・・・風呂にも入りたいしな」

ライルはここ数日の事を思い出してみた。休みぐらいここ最近であったはずだ。確かその時は・・・・

「・・・・・・」

前言撤回だ。やはり休みは無かった。

「・・・・で?お前は久々の休日をどうするんだ?」

トレイスが軽く体ほぐしの運動をしながらライルに尋ねた。

「う~ん・・・じゃあ、久しぶりに皆の所へ遊びに行って来るよ。・・・・もちろんお風呂に入って着替えてから、だけどね」

「・・・・・元気だな」

トレイスが軽く微笑んだ。

その後に『これが若さか』と聞こえたのは恐らく気のせいであろう。

「・・・・まあ、楽しんで来い」

「父さんは?」

トレイスは少し考え込んでから口を開いた

「・・・・・寝る」

「あ、ああ・・・・そう・・・・」

ライルは苦笑いを浮かべシャワー室へと向かっていった。